フィリピン・セブ島への留学は、英語力を伸ばすだけでなく、異文化を体験する絶好のチャンスでもあります。
でも実際に現地で生活してみると、日本とあまりに違うことに驚く場面がたくさんあります。
たとえば、トイレットペーパーを流してはいけなかったり、シャワーの水圧が弱かったり、屋内でも蚊やアリが出たり…。
日本では考えられないような日常に、最初は戸惑い、ストレスを感じることもあるかもしれません。
でも、事前に「こういうものだ」とわかっていれば、受け入れ方も変わってきます。
ちょっとした心構えや準備があるだけで、現地での適応力はぐんと上がります。
この記事では、筆者が実際にフィリピン留学中に感じた、日本との生活の違い=“ギャップ”を10個厳選。
「何がどう違うのか」「どう対応すればいいのか」も含めて、わかりやすく紹介します。
これから留学するあなたの“カルチャーショック”を、ちょっと減らすお手伝いができたらうれしいです!
日本ではトイレットペーパーを流すのが当たり前。
しかしフィリピンでは、水圧や排水設備の関係で紙をトイレに流すと詰まりやすいためNGです。
基本ルールは、使用後の紙は備え付けのゴミ箱に捨てること。
最初は抵抗を感じるかもしれませんが、これは現地ではごく普通のマナーです。
うっかり流してしまうと、排水トラブルの原因になり、修理費を請求されるケースも。
特に寮やホテルでは注意が必要です。
対策としては、渡航前から「紙は流さない文化」があることを意識し、
滞在先に着いたらまずトイレの使い方を確認しておくこと。
公共施設や外出先でも同様なので、早めに慣れておくと安心です。
日本では水道水をそのまま飲めますが、フィリピンではNG。
衛生面の問題があり、生水を飲むとお腹を壊すリスクが高いのです。
現地の人でさえ、ふだんからミネラルウォーターを使っています。
さらに、歯磨きやうがいも飲料水を使うのが基本。
特にお腹が弱い人は要注意で、留学初期に体調を崩す原因のひとつにもなります。
対策としては、学校や寮に設置されたウォーターサーバーを利用したり、
自分専用の水筒やペットボトルを常備したりするのが安心。
外出時も、小さめのミネラルウォーターを持ち歩く習慣をつけておきましょう。
日本では、家の中で虫が出ると驚いてしまう人が多いですが、フィリピンでは虫との共存は日常の一部。
特に蚊、アリ、ゴキブリはよく見かけます。建物の構造や気候の影響もあり、完全にシャットアウトするのは難しいのが現実です。
蚊に刺されるとかゆいだけでなく、デング熱などの感染症のリスクもあるため、虫除け対策は必須です。
スプレー、携帯蚊取り器、ベッド用の蚊帳や電気虫除けなどがあると安心です。
また、食べ残しや甘い飲み物を放置するとアリが大量発生するので、
食後の片付け・ゴミ処理はこまめに行いましょう。
「虫=当たり前」という心構えと、清潔な生活習慣がストレスを減らす鍵になります。
フィリピンでは、日本のように「時間通り=常識」という感覚はあまり一般的ではありません。
たとえば約束の時間に10〜30分遅れてくるのはよくあること。
これは「フィリピンタイム」と呼ばれる、のんびりした時間感覚が文化的に根づいているためです。
学校の先生が少し遅れてきたり、Grabの配車が遅れたり、レストランの料理が出てくるのが遅かったりと、時間のゆるさは日常のあちこちで感じます。
最初はイライラするかもしれませんが、「そういう文化なんだ」と割り切ることが大切。
大事な予定がある日は余裕を持ったスケジュールを組むなど、自分の対応力でカバーするのが賢いやり方です。
フィリピンのスーパーでは、レジに長蛇の列ができるのは日常茶飯事。
日本のようにサクサク会計が進むことは少なく、前に数人いるだけで10〜15分待つことも珍しくありません。
理由はさまざま。
スタッフの動きがゆっくりだったり、金額入力や袋詰めが完全手作業だったり、
途中でおしゃべりが始まってレジが止まる…なんてことも普通にあります。
しかも、レジがたくさんあっても一部しか稼働していないという状況もしばしば。
対策は、「レジ待ちは長いもの」と割り切って、時間に余裕があるときに買い物すること。
待ち時間中はスマホで調べ物や語学アプリを使うなど、有効活用する心構えがポイントです。
フィリピンでは、日本と比べて音に対する感覚がとてもおおらかです。
早朝から近所でカラオケ、深夜に外から大音量の音楽、
バイクの爆音や犬の鳴き声が続く……など、“騒音”と感じる場面が日常茶飯事です。
ところが現地の人々は、それをあまり気にしていません。
「にぎやかで楽しい」「生活の一部」という認識で、日本のような“静けさ”を期待するのは難しいかもしれません。
とはいえ、睡眠や集中力に影響が出る人も多いので、
対策として耳栓やノイズキャンセリングイヤホンを準備しておくのがおすすめです。
「音が気になるのは当然」と割り切り、慣れるまでの間は自分で環境を整える工夫が大切です。
日本のように時間通り・正確な電車やバスはありません。
フィリピンの公共交通は全体的にラフで、とても不安定です。
ジプニー(乗り合いバス)やバイクタクシーなど、安く移動できる手段はあるものの、路線・料金・乗り方が複雑で、初めての人には難易度が高め。
さらに、スリや交通事故のリスクもあるため、注意が必要です。
そのため、留学生には配車アプリ「Grab(グラブ)」の利用が主流。
事前に行き先と料金が分かり、ぼったくりやトラブルを避けられる点でも安心です。
公共交通に過度な期待をせず、「移動はGrabが基本」という心構えでいると、ストレスをぐっと減らせます。
空港送迎は事前に学校へ手配をお願いしておくと、より安心です。
フィリピン留学に必須の配車アプリ「Grab(グラブ)」についてはこちら!
フィリピンでは、日本と比べて電気や水道などのインフラが不安定です。
突然の停電や断水は珍しくなく、地域や時間帯によっては数時間復旧しないことも。
特にスコール(激しい雨)のあとには、停電が起きやすい傾向があります。
生活に致命的な支障はないものの、スマホの充電・洗濯・シャワーなどのタイミングに影響が出るため、ある程度の備えが必要です。
たとえば、モバイルバッテリー・懐中電灯・飲料水のストックは必須アイテム。
軽くてもいいので、常に持っておくと安心です。
「時々起こるもの」として心構えがあれば、過度なストレスにならずに済みます。
日本の便利さが恋しくなる瞬間ですが、それも含めてリアルな海外生活の一面です。
フィリピンの食事は、日本と比べて甘めで油っぽいものが多いのが特徴です。
フライドチキン、シニガン(酸っぱいスープ)、アドボ(酢と醤油で煮込んだ肉料理)などが代表的で、外食や学食でも同様のメニューが中心です。
野菜が少ないのも気になるポイント。
朝食もパンとコーヒーだけなど、シンプルすぎて物足りなさを感じることも。
長期滞在では、味のマンネリや栄養バランスの偏りが気になる人が多いです。
対策として、日本からインスタント味噌汁、ふりかけ、スープの素などを持っていくのがおすすめ。
ときどき日本食を取り入れるだけでもストレスが軽減されます。
現地のスーパーで野菜を買って簡単に自炊できる環境があればより安心です。
フィリピンの接客は、笑顔でフレンドリーなのが魅力ですが、同時にマイペースでもあります。
店員さんがスマホを触りながら接客していたり、注文後も待たされたりするのは珍しくありません。
日本では「お客様は神様」という意識がありますが、フィリピンでは“お互い様”の感覚が強め。
上下関係というより、対等な関係でのんびり対応するのがスタンダードです。
そのため、過度に期待せず「のんびりが普通」と思っておくとストレスが減ります。
逆にこちらから「ありがとう」「こんにちは」と笑顔で挨拶すれば、一気に距離が縮まることも。
相手のペースに合わせ、穏やかな気持ちで接する姿勢が大切です。
そのゆるさを「味」として楽しめると、フィリピン生活はぐんと快適になります。
フィリピン留学は、英語学習だけでなく異文化に触れ、価値観を広げるチャンスでもあります。
今回ご紹介した10の“日本との生活ギャップ”は、最初は戸惑うかもしれません。
でも、事前に知っておけば「そういうものだ」と受け止めやすくなり、ストレスも大幅に軽減されます。
大切なのは、完璧な環境を求めるよりも、現地に合わせる柔軟さです。
「郷に入っては郷に従え」の気持ちで暮らしていくことで、フィリピン留学はより深く、自分を成長させてくれる体験になります。
虫が出ても、水が止まっても、接客がゆっくりでも——
それを含めて、異文化を楽しむ気持ちを忘れずにいましょう。
ほんの少しの知識と心構えが、あなたの海外生活を大きく変えてくれるはずです。
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